知っているようで知らない!?音楽媒体の違い

2024-11-25

今回の記事では、音楽のメディアの違いと、それに関わるNMIの方針を解説します。今後音楽作品を購入する際の参考になるかも。

2024/12/05 一部解説をより分かり易く修正

フィジカル・デジタル

物理的な媒体で流通するものを「フィジカル・メディア」と呼びます。アナログ・レコードからレーザー・ビジョン・ディスク、CD、DVDなど、3次元空間に存在する物体を媒体として、手に取れるメディアなのです。一方で近年登場した「デジタル・メディア」は、主にネットワークでやり取りがされる、物理的な実体を持たないメディアを指します。ダウンロード販売や、流行りの定額制音楽配信(いわゆるサブスクリプション)が具体例でしょう。

フィジカル・メディアの種類

アナログ・レコード

昔から存在するフィジカル・メディアで、メディアがCDなどに移行してからも、アナログ特有の音質を好む人々から愛され続けています。近年ではアナログレコードに再び或いは新たに参入する企業が登場しています。具体的にはグラモフォンレコード、コンパクトカセットなどがあります。

オーディオCD (CD-DA)

一般的に「CD」と呼ばれるものは、正式には「コンパクト・ディスク・デジタル・オーディオ」或いは「レッド・ブック」と呼ばれる規格です。無圧縮のPCMを用い、サンプリング周波数は44.1kHz、量子化ビット数は16bitと定められています。ここから求められる、記録できる最高周波数は22.05kHz、ダイナミックレンジは96dBと、現代となっては少々時代遅れ感が否めない規格ですが、登場から40年以上経った現在でもまだまだ第一線を退いていません。

NMIにおいては、大半のアルバム作品をこの方式で発売する予定です。

CDエクストラ

CD-DAとCD-ROMを、セッションを分けて記録したCDです。DVDが普及する以前の時代に、主におまけデータを同梱する目的で用いられたそうです。かつてはCD Plusと呼ばれていました。

NMIは推進派として、シングルやEPをこの方式で発売しています。

DVDオーディオ

次世代CDと目された規格の一つで、無圧縮ないし可逆圧縮PCMを用い、最高192kHzのサンプリング周波数と20、24bitの量子化ビット数に対応し、CDよりも広い記録可能周波数とダイナミックレンジを実現しています。今となっては新品の対応するプレイヤーが手に入りませんが、VLCなどのパソコン向けプレイヤーでは再生できるようです。

DVD music

こちらはDVDビデオの一つのカテゴリで、一種の音楽メディアとして用いるというものです。無圧縮のPCMや、サラウンドに対応したAC-3などの音声データと、静止画や歌詞が収録されています。静止画のスライドショーにより映像のビットレートを抑えられ、それでできた余裕を高音質な音声に割り当てるという手法です。

NMIにおいては、上記2規格を組み合わせ、ハイブリッドDVD(DVD-Video/Audio)として発売する方針です。

スーパーオーディオCD (SA-CD)

次世代CDその2。名前にCDと入っていますが、物理的な構造やファイルシステムなどから、DVD派生規格とも捉えられます。記録方式はPCMではなく、PDMの一種である「デルタ-シグマ(ΔΣ)変調」を利用した「DSD」が用いられ、最高100kHzまで記録でき、DVDオーディオと同様に可聴域では十分なくらいのダイナミックレンジを実現しています。ただ、著作権保護が幾重にも施され、パソコンでは再生できない、音楽ファイルを吸い出せない、個人・同人レベルでは作れないなど、難点もあります。因みにDVDのように層を分け、片方をCD-DAとしている作品も存在するようです。

DSDディスク

SA-CDを個人レベルで作れない事を憂いたソニーが新たに策定した規格で、言わば「なんちゃってSA-CD」です。SA-CDに用いられるのは「DSD・インターチェンジ・ファイル・フォーマット」(DFF)とやや業務用寄りの規格に対し、こちらはより民生向けに改良された「DSD・ストリーム・ファイル」(DSF)が用いられます。DSDディスク自体を再生できるプレイヤーは、一部のSA-CDプレイヤーやソニーPS3などに限られますが、ディスクからパソコンや音楽プレイヤーにDSFファイルを複製し、そのファイルを再生するという手段もあります。

NMIにおいては、DRMのないSA-CD代替として、緩く推進していきます。

コピーコントロールディスク (CCCD)

パソコンやCD-Rに複製できないようにガバガバなコピーガードが施された、CDエクストラのような何か。CDの規格外のため、再生するとプレイヤーが早死にすると言われています。ひとえにCCCDといっても、「カクタス・データ・シールド」(CDS)、「Key2Audio」、「エクステンデッド・コピー・プロテクション」(XCP)など様々な規格があり、消費者が混乱する事例が多かったようです。

NMIにはこのような危険なディスクを出す予定は一切ありません。

デジタル・オーディオ・テープ

「テープでデジタル!?」と驚かれる方もいると思いますが、昔はそんな規格があったのです。DATテープ、デジタル・コンパクト・カセットなどがあり、DATテープではCD-DA同等のPCMを無劣化で記録できます。

デジタル・メディアの種類

ダウンロード販売

ダウンロード販売では、販売サイトから楽曲を1曲単位で買える場合が多いです。好きなミュージシャンやグループの聴きたい曲だけが欲しい方にお勧めです。古くはMP3に始まり、現在ではFLAC、ALACなどによる可逆圧縮での販売や、DSD(DSF方式)での配信も行なわれています。

NMIでは、自社通販サイト「NMI MUSIC STORE」にてDRMフリーで販売を行ないます。

ダウンロード・カード

フィジカルとデジタルの合いの子として、ダウンロード・カードというのがあります。これはCDのように、特定のミュージシャンの特定の作品を購入するというもので、従来のダウンロード販売とは一線を画す商品です。一部の同人クラブからも、この方式で発売されているようです。

定額制音楽配信

月額を払い、膨大なライブラリから好きな楽曲を再生できるというサービスで、ある意味音楽レンタルの一形態ともとれます。原則インターネット接続が必要ですが、ダウンロードができる場合もあります。

今後も不定期的に用語解説の記事を投稿するので、お楽しみに!