色々な音楽CD

2024-12-19

突然ですが皆さん、CDは好きですか?

NMI雑学シリーズ・第2弾の今回は、音楽CDについて取り上げます。前回の記事では音楽メディア全般を大まかに取り上げましたが、今日はその中からCDについて、より掘り下げて解説します。

音楽CDって?

音楽CDの正式名称は「コンパクト・ディスク・デジタル・オーディオ」といい、「CD-DA」と略称されます。規格書は「レッド・ブック」(これは単に表紙が赤いからだそうだ)と呼ばれる機密文書ですが、実は「IEC-60908」として標準化されていて、こちらは誰でも閲覧できます。

CDには音楽を記録する「CD-DA」、パソコンデータを記録する「CD-ROM」、インターラクティブなソフトウェアを提供する「CD-i」など、様々な規格があります。広義にはCD-ROMに音楽ファイルを記録するだとか、CD-iのサブセットである「CD-BGM」なども音楽CDとして捉える事ができますが、今日紹介するCD-DAとは別物です。

音楽CDの記録方式

音楽CDは、音声がリニアPCMで記録されています(PCMの解説は今回は省略)。サンプリング周波数は44.1kHz、量子化ビット数は16bitで、これは初期のPCMプロセッサーなる装置の仕様に由来するそうです。規格上は最大99曲まで収録できるらしいですが、そこまで収録した音楽ソフトはこれまでにあるのでしょうか?

実際に記録できる周波数は44.1kHzの半分である22.05kHzまでですが、人間が聴こえる最高の周波数は理論上20kHzであるため、問題はないのです。

また、各セクターには2352バイトの音声データと96バイトのサブコードが含まれます。このサブコードを応用した拡張規格が登場しています。

ディスクの種類

次にディスクの種類を見ていきましょう。

直径12cm

現代においてCDといえばこれ。収録可能な時間は当初約75分でしたが、後に約80分にまで拡張されました。

DVDやブルーレイなど、CD以後の光ディスクも直径12cm、厚み1.2mmを踏襲しています。それだけ影響が大きかったのでしょう。

直径8cm

昔のシングルはこの大きさで、ケースも縦長(短冊と形容されたとか)だったそうです。CDビデオ(後述)の音声パートを抜き出したような格好で、「CD SINGLE」として規格化されています。因みに12cmシングル向けに「CD Audio Maxi-single」という規格があるそうです。ややこしいね。

ニューマキシ

12cmと8cmの合いの子。直径は12cmで、記録部分が8cmというまたまた訳の分からない規格です。

アプリケーション仕様の種類

CD-DA

音声を記録するための規格で、全ての大元です。型番におけるメディア略号は「C」(12cm)もしくは「D」(8cm)。

CD-TEXT

CD-DAのサブコードのうちR~Wチャンネルを用いて、メタデータを記録する規格です。最大で8言語格納でき、全角文字にも対応します。但し全角文字を用いる場合は英数字も全角で書く必要があります。

CD Graphics(CD-G)

CD-DAのサブコードのうち(ry、画像を記録する規格です。画像は16色、300✕216ピクセルと、現代では物足らないかも知れません。これを用いたカラオケソフトが各社から発売されていました。型番におけるメディア略号は「N」。

CD Extended Graphics(CD-XG、CD-EG)

CD-Gの後継で、256色、288✕192ピクセルの画像を格納できます。ただソフトもプレイヤーもCD-Gより少ないと言われています。型番におけるメディア略号は「N」(G/XG共通)。

CD-MIDI

CD-DAのサブ(ry、MIDI譜面を記録する規格です。対応機器からMIDIシーケンスデータを出力して、MIDIシンセサイザーなどに繋ぐと、CD再生と同時に楽器の演奏もできるシステムだそうです。

CDビデオ(CD-V)

内周8cmにデジタル音声、残った外周部分に最長5分のアナログ映像を記録する規格です。映像はレーザー・ビジョン・ディスク(LD)規格ですが、CD-Vに対応するプレイヤーが必要です(世界初のCD-Vプレイヤーはパイオニア・CLD-1010)。後に内周部が8センチCD、外周部が「ビデオ・シングル・ディスク」(VSD)として独立しました。

ミックスモードCD

CD-DAとCD-ROMが、同一セッションに共存するCDです(大抵データは1曲目に収録されるようだ)。CD-DAでBGMを鳴らすゲームソフトで採用される事例が多かったようです。通常のCDプレイヤーでも音声部分は再生できますが、データ部分を再生すると機器が故障する可能性があります。

CDエクストラ(CD-DA+)

CD-DAとCD-ROMが、セッションを分けて共存するCDです。この「セッション別」というのが肝で、ミックスモード盤とは異なり、CDプレイヤーでROMトラックを再生する心配がなくなりました。音楽業界においてはDVDがまだ高価だった時代、特典映像を同梱する目的で販売されていたようです。型番におけるメディア略号はCD-DAと共通で、「C」(12cm)もしくは「D」(8cm)。

後書き

以上で今回の記事を終了します。新品でも中古でも、CDを買う際には参考にしてみて下さいね!